不動産

【前編】資産性の高い戸建てを買うポイント!現役不動産屋が解説!

どうも、正直な不動産屋さくらまるです。

今回の記事では、不動産歴20年現役不動産屋の観点から、資産性に特化して重要視するポイント等をお伝えさせて頂ければと思います。

ただ、日本中様々な地域に特色があり、それぞれ素晴らしい面を持っています。
こういう家を買ってはいけないと言うのでなく、資産性を考える上で重要なポイントをお伝えできたらと思います。

ここでいう資産性の定義とは、売りたくなった時、何かあった時にいつでも売ることができる。買い手が少なくて弱気にならずに済む物件とさせて頂きます。

この記事をご覧頂くと、資産性という観点から物件選びすることができ、尚且つ住みやすく永住することもできる物件と出会うことができます。

不動産屋が売りたくて勧める営業トークにだまされることなく、自分の意思を持って物件探しができる様になります。

ご自身の知識の向上にも役立ちますので、ぜひ最後までご覧頂ければと思います。

それでは、早速ご説明させて頂きます。

重要視するポイント

建物の大きさ

まずは何と言っても建物の大きさですね。

人が引っ越したくなる原因(動機)の第一位が「手狭(てぜま)」です。
年々荷物が増え、今の家では手狭に感じるという事はないでしょうか。

そんな中、下記の項目に着目してください。
【 リビングの広さ 】
15帖以上がいいです。リビングにはソファ、ダイニングテーブルを置きたくなるかと思いますので、最低15帖は欲しいところです。
【 各フロアの天井高】
2階建てならそんなに意識しなくても大丈夫ですが、3階建ての場合、各フロアの天井高は様々です。
一般的なフロア毎の高さは2,300mm(2.3m)です。
リビングは2,400mmのものも多いですね。となると、1階、3階が圧迫されます。2,250mm、2,200mm、2,150mm。
50mm単位で設計されますが、その50mmが体感ではすごく大きいんです。特に1階部分に気を付けてください。
天井高は最低でも2,250mm以上の家を選びましょう。
【 お風呂のサイズ 】
お風呂も様々なタイプがありますが、一戸建てであれば1坪タイプ= 1616(用語:いちろくいちろく)と呼ばれるタイプを選びましょう。内寸が1,600mm(1.6m)×1,600mmのユニットバスなのですが、ゆったりとお風呂に入れます。1214(用語:いちにいいちよん)タイプだと少し小さめで残念に思われます。
【 駐車場のサイズ 】
駐車場のサイズも様々ですね。目で見てもわからないので、実際に測ってみましょう。着目すべきは、長さで、コンパクトカーしか入らない等ということも多々ありますね。駐車場スペースは1階部分の間取りをいじめるので大きければいいわけでもありません。
それでも長さは4,700mm(4.7m)は最低でも欲しいところです。


ちなみ廊下の幅、階段の幅等は、規格で大体きまっております。日本の建築が910mm(用語:きゅうひゃくとお)スパンで建てる様に作られており、壁などの厚みがありますので、有効幅は約700mmとなります。

中にはメーターモジュールと言って、1,000mm(1.0m)スパンで作られる建物があります。大手ハウスメーカーさんのゆったりした家ですね。建築コストも全然違いますし、今回ご説明している資産性のある(売り買いしやすい)物件には当てはまりません。

駅距離

駅からの距離は、3分~12分くらいがいいと思います。できれば10分以内ですね。

駅からの距離は近いほど利便性がいいのですが、戸建ての場合近過ぎても騒音の問題等が気になります。

逆に環境が良くなるからといって、駅からバス便や、かなり歩く様でもいけません。

資産性を追求するなら「利便性がほどよく、そこそこ環境がいい」です。3分から12分くらいがいいと思います。


あとは駅からの道が暗くないか、アップダウンがないか、もチェックしましょう。

資産性のひとつとして、駅からわかりやすい道か、坂はないか、が大切な項目です。

夜、人を家に呼んだ時、簡単に説明できるか、その人は簡単にたどり着けるか、を想像して頂ければと思います。

日当り

日当りもいいにこしたことはありませんね。気を付けたいのが、どの家も直接日光が入る部分は少ないという事です。

南向きでも南側の窓1方向だと窓付近にしか日は入りません。奥までは直接日が届かないのです。

重要視したいのは、採光ですね。戸建ては窓が多くあります。窓が2方向にあるお部屋は採光が取れ、明るいお部屋となります。窓の外に空間があり、採光がある家を選ぶといいと思います。

接道方向

結論は北道路がおすすめです。

「南道路 日当り良好!」と書かれていたり、接道方向は南がいいと一般論として昔から思われがちですが、南道路にはデメリットもあります。

基本的に南は良しとされているので、南向きは間口(道路に接する長さ)が短くなります。

細長い土地に南向きの家を建てても先にご説明した通り、窓先にしか日は当たりません。

それに南道路だと1階部分は玄関と車庫になり、お部屋は北側です。

3階部分は北側斜線がかかり、北側のお部屋は斜めに大きく削られます。

下の図「◎南道路」をご覧ください。

その分間取りが狭くなるか、斜めのお部屋ができます。

逆に北道路はというと、1階部分は南側がお部屋になります。前に建物が建っていたとしても空間があれば日は入ります。

2階から上は前の家の屋根は斜めになっていて、日が当たりますね。

そして北道路の一番のメリットは、北側が道路なので、3階部分に北側斜線がかからないということです。
3階部分がきれいに四角いお部屋となり、間取りも大きくなります。南道路なら3LDK、北道路なら4LDKくらい違う可能性もあります。それでいて、北道路の方が土地の坪単価が安いのです。

下の図「◎北道路」をご覧ください。

マイナス面は特になく、安くて広ければ買いですよね。

東道路と西道路は好みですが、西道路の方が日中長時間日が当たります。

ただ、先ほどから重要視している3階部分の北側斜線が2部屋にかかりますので、間取りが小さくなるか、2部屋斜めのお部屋ができます。

もちろん物件により間口が広い狭いありますが、基本的におすすめは北道路です。

【 図 東京都 第2種高度地区の場合 】

権利の種類

大きく分けて所有権と借地権があります。
所有権を選びましょう。

借地権もお得だと思いますが、ちゃんと学ばないとトラブルの元ですし、学ぼうとするには少しハードルが高いかも知れないからです。

建築基準法

検討している物件がどういう地域なのかというのは資産性を考える上で重要です。
詳しく書くと長くなってしますので、今回の記事では簡単にご説明させて頂きます。

下記の項目はチェックしてください。
【 用途地域 】
用途地域は、市町村(東京は都)がこういう街づくりをしたいという事で定めます。どこでも好きな建物を建ててしまうとトラブルの元だからです。

主なものをあげると、

『第一種低層住居専用地域』は、主に2階建ての低層な住居地域です。

『第一種中高層住居専用地域』は、主に3階建ての中高層な住居地域です。

『準工業地域』は、主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業地域です。
住宅も沢山建てられていますが、昔の工場町に多い地域です。この地域に印刷工場、板金工場等様々な小規模の工場が集まります。
今現在近くに工場が無くても将来隣に工場ができてしまった等ということもあるかも知れません。
よく旗を立てて〇〇反対と反対運動がありますが、用途地域、建築基準法に適合して建てているので、立場的には弱くなります。ちなみに反対運動は大抵お金で解決という流れになります。

『近隣商業地域』は、利便を増進するための商業地域です。お店ができます。パチンコ屋、カラオケ屋、風営法、深夜営業ができます。住むには少し心配かも知れませんね。この地域も今は周りが静かでもいつ環境が変わるかわかりません。

基本的には住環境が変わりづらく、自分の家もそこそこ大きく建てられる『第一種中高層住居専用地域』『第一種住居地域』がおすすめです。
【 建ぺい率・容積率 】
その土地にどのくらい家が建てられるかが決まっています。

例えば60㎡の土地があれば、建ぺい率40%の地域は1フロアが24㎡まで。60%の地域は36㎡まで建てられます。
容積率100%の地域は建築総面積が60㎡。200%の地域は120㎡まで建てられます。
なるべく大きく建てたいのですが、周りも大きくなってしまうので、建ぺい率:60%・容積率:200%くらいがおすすめです。

【 高度地区 】
高度地区は都道府県によって違いますが、東京の場合、第1種から第3種まであります。

『第1種高度地区』は、北側境界線より高さ5mの位置から約30度の斜線規制が入ります。
基本的には2階建てとなり、日当りは十分に確保されます。

『第2種高度地区』は、北側境界線より高さ5mの位置から約50度の斜線規制が入ります。
基本的には3階建てが建てやすく、都内で最も多い地区となります。日当りをそこそこ確保する代わりに3階の部屋は斜めに切られます。先ほど書いた通り北道路の物件は北側がほぼ切られません。

『第3種高度地区』は、北側境界線より高さ10mの位置まで斜線規制が入りません。
北側斜線はほぼかかりませんが、周りの家も斜線がかからないので、日が入りづらくなります。

おすすめは「第2種高度の北道路」「第3種高度の南道路」です。

希少ですが、「第3種高度の南道路」があればそれだけで資産性がありますので、検討の余地ありです。


文字だけではわかりづらいかと思いますので、また改めて詳しい記事を書かせて頂きます。

前面道路

前面道路は公道がベストです。

私道でも大丈夫ですが、道路の持ち分を持っているか確認したいところです。

目の前の道路の持ち分を持っていれば権利関係に問題は少ないですが、道路の補修、水道管の補修等は自己負担(持ち分所有権で費用負担)となります。

なんだか面倒ですよね。

道路でもなんでも土地を他人と共有しているとトラブルの原因にもなります。

道路持ち分が全くないと少し心配です。
「通行掘削承諾書」たるものを持ち分所有者から頂くのですが、何か道路を掘削(掘る)する時は所有者全員の承諾がいります。
揉めている人がいると意地悪されるかも知れませんね。


→ 後編へつづく


長くなってしまったので、その他の項目は【後編】の記事で書きたいと思います。

まとめ

資産性の高い戸建てを買うためのチェックポイントをお伝えさせて頂きました。【前編】は以上となります。

不動産、特にマイホームは価値があり、住みやすい物件を選んで頂きたいと思います。

私の書いた記事で、少しでもマイホームの物件選びのお役にたてれば幸いです。

最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。

【後編】も重要なポイントを具体的に解説させて頂きますので、お読み頂ければと思います。

それではまた次回で。今後とも宜しくお願いします。

【後編】↓↓↓

【後編】資産性の高い戸建てを買うポイント!現役不動産屋が解説! どうも、正直な不動産屋さくらまるです。 今回の記事は後編となります。 引き続き不動産歴20年現役不動産屋の観点から、資産性に特化して...