不動産

再建築不可とは?再建築不可で資産性を上げる方法も解説します!

どうも、正直な不動産屋さくらまるです。

住宅をお探しの時に、「この物件やけに安いな」と思って見てみたら、『再建築不可』と書いてあった。

なんてことはないですか。

再建築不可って文字通り再建築できないんでしょ。と思いますよね。

間違いではないのですが、再建築絶対にできないわけでもありません。


今回の記事では、再建築不可を知って頂くと同時に、再建築不可でも建て替えもしくは大規模リフォームができるという事をお伝えしたいと思います。

この記事をお読み頂くと再建築不可の物件に今現在お住まいの方、価格が安いので検討してみようかなという方に役立つ情報になるかと思います。

ぜひ最後までお読み頂ければと思います。

再建築不可とは

まずは、再建築不可と呼ばれる定義をご説明させて頂きます。

逆に再建築可能な土地とは、

建築許可の基準となる建築基準法では、『建築基準法上の道路に2m以上接道している土地』が要件となります。

それでは、再建築不可の土地とは、一つ一つご説明させて頂きますね。
上の図を基にご説明させて頂きます。

(A) 2m以上接道(道路と接する長さ)していない

道路と接する長さ(間口(まぐち))が2m未満だと再建築することができません。
上の図のAの状態です。

間口(道路と接する長さ)が2mをきり、1.8m等だと建築許可がおりません。

間口だけではなく、通路全体の幅が2m未満ではいけません。
イメージは直径2mの鉄球を転がせるかどうかです。

火事や有事の際の避難経路が確保できないという理由からです。

ちなみに昔は、色々なものが一間(いっけん)1.8mを基準にされていました。
畳のサイズですね。

戦後間もない頃から日本にメーター法という基準ができ、1mを徐々に基準にする様になりました。
1950年に建築基準法で2m接道義務が制定されたのですが、その前からあった土地は間口が2mをきった土地が多数存在します。

東京23区内では、約18万2700戸(約3.7%)あると言われています。(総務省 平成30年)

(B) そもそも道路に接していない

道路に接していない土地は再建築はできません。上の図のBの状態です。

先にご説明した避難経路の確保ができないからですね。

道路はなくとも空地がしっかりあるよっていう土地もあるかとは思うのですが、それだけではダメですね。

将来的に何か建つかも知れませんし、避難経路の確保が確実ではないからです。

東京23区内では、約5万9900戸(約1.2%)あると言われています。(総務省 平成30年)

(C) 建築基準法上の道路に接していない

道路に見える道に接していてもその道が建築基準法上の道路でないと建築許可はおりません。

上の図のCの状態です。

いつも見ている道が道路ではなかった。なんてこともあるかも知れません。

建築基準法上の道路なのか否かは役所で調べることができます。最近はインターネットでも閲覧可能になってきました。

基本的には上記(A)(B)(C)で判断され、適合していないと再建築はできません。

再建築不可を建て替えれる場合も

再建築不可の物件は基本的には建て替えできません。

ただ、何とか建て替える方法はあり、下記にご説明させて頂きます。

包括同意基準、個別同意基準

地方自治体によって違いますが、一定の基準を満たすことができれば、救済措置が用意されています。

勝手に国が決めた基準で建てられなくなったのでは、昔から住んでいた人等は困ってしまいます。

とは言え、国、地方自治体も火事や地震の時等に安全に避難できる家でないと建築許可は出せません。

責任問題になりますからね。

そこで、一定の基準を設けているのが下記の基準です。

その基準は「包括同意基準」「個別同意基準」と言います。


『包括同意基準』・・・あらかじめ建築審査会で決められた基準

・その敷地の周辺に公園、緑地、広場等広い空地を有する建築物であること。
・その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道に2m以上接する建築
・都市計画法第29条の規定に基づく許可を受けた者が行う都市計画法第4条第12項に規定する開発行為により建造される予定の道路に2m以上接する敷地に建築する建築
・空地幅員〇m以上、中心後退〇m以上

等々、少し難しいですよね。
住んでいる地域によって違うので、自治体(役所等)のHPを見るか直接確認して頂くのが間違いないかと思います。


『個別同意基準』

上記の「包括審査基準」に適合しない場合は、個別で建築審査会に同意を求めることになります。

建築審査会は一般的に月に1回しか開かれませんので、相談の時期には注意が必要です。

43条2項2号(43条但し書き)

先にご説明させて頂いた図の(C)の土地の場合等は、目の前の道が建築基準法上の道路ではないことで、再建築不可となりました。

そこで、またもや「建築審査会」の許可を受けることにより、目の前の道を43条2項2号(43条但し書き)認定をもらうことで建築許可がもらえる様になります。

43条2項2号(43条但し書き)認定をもらっても建築毎に認定をもらわなければならないので、同じ道でも毎回認定がもらえるとは限りません。ただ周りの家が建て替えているか等は目安にはなりますよね。

隣の土地を少しだけ買い取る

先にご説明させて頂いた図の(A)の場合等は、間口(道路と接する長さ)が2m未満ということで再建築不可となりました。

そこで、1m80cmだった場合、残りの20cm分、隣から土地を買い取れれば再建築は問題なくできます。

隣の家の状況にもよりますが、20cm売ったところで問題なさそうなら十分可能性はあります。

隣も間口が狭く、車の出し入れに支障が出るなら難しいかも知れませんね。

でももし、その20cmが買い取れれば、再建築できるだけでなく、その土地の資産性はぐっと上がりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

今から購入を検討されている方は、購入後にタイミングを見計らって声をかけましょう。

購入前に買い取れてしまうと、購入の金額も上がってしまいます。

再建築不可の資産性を上げる方法

再建築不可は、再建築可能な一般的な物件よりかなり安く買えます。

安いからといって、そのまま安かろう悪かろうでは、資産性がありません。

そこで資産性を上げる方法をご説明させて頂きます。

リノベーションして新築同様にする

再建築不可というと、築年数がどうしても古くなってしまいます。

築年数が古くても、リフォーム、リノベーションをすれば、資産性も上がり、快適に安心してお住まい頂けます。

再建築不可の最大のデメリットは、「再建築できないこと」なので、再建築する必要がなければデメリットを大きくカバーできます。

リノベーションする場合、「建築確認」をとる必要があるか否かが重要となってきます。

建築確認とは、
建物の建築や大規模修繕工事を行う際に必要な手続きとなり、地方自治体が確認・承認をします。

建築確認をとろうとすると、再建築不可の場合、承認されない可能性があります。

ですが、個人が住宅として利用する場合等(4号建物)下記の条件を満たせば基本的に建築確認が不要となります。

木造建物の場合、
①2階建て以下
②かつ延べ面積500㎡以下
③かつ高さ13m、軒高9m以下
リノベーションの中でも土台、柱数本残して、新築同様に仕上げるなんてこともありますね。

ただ道路に接していない場合、密集地に建てられている等の場合、リフォーム、リノベーション費用が割高になってしまう可能性があります。道路に車を置いて資材等を運ぶ手間を想定してみるといいかと思います。

隣の土地を買う

先にご説明させて頂きましたが、少しだけ買うのもそうですが、隣の敷地全体を買えたら資産性は上がります。

例えば隣と同じ土地の大きさだとして、再建築不可の土地の価値を50、隣の土地の価値を100とした場合。

50 + 100 = 150  です。

隣を買取り、再建築不可でなくなった場合、再建築不可の価値が100まで上がります。

そすると、100 + 100 = 200 となります。

もちろんその土地の地型、環境等により一概には言えないのですが、再建築不可の土地の価値が上がることは間違いありません。

隣と同じタイミングで売る

上記では、隣を買うお話をさせて頂きましたが、隣を買えない場合、隣が売るタイミングで自分の土地も合わせて売ることも良策です。

そうすれば再建築不可の土地を売るより、再建築できる土地となり、売値は上がりますよね。

ただ、隣との打ち合わせもありますし、自分の家にリフォーム、リノベーションでかけたお金、住んだ年数等を計算に入れて得をするか検討頂ければと思います。

再建築不可、その他の利用方法

自分で住まなくなった場合に売るという選択肢だけではありません。

簡単にリフォームして賃貸に出して、保有し続けてもいいと思います。

賃貸で住む人は、その土地、家が再建築不可かは関係ありません。

多少条件が悪くても家賃が少し安ければ借りる人は必ず出てきます。

逆にリフォーム等でおしゃれに仕上げれば他に類を見ない素晴らしい賃貸物件になるかも知れませんね。


あとは、車が入る土地であれば駐車場として貸すことも可能です。

建物をそのまま使うか、プレハブを建てて、倉庫として利用もできますね。

土地があれば色々と考えられます。

再建築不可をローンで購入する際の注意点

ここまで再建築不可をご説明させて頂きましたが、再建築不可の物件を検討する上でどうやって購入するかもすごく重要です。

現金なら問題はありませんが、再建築不可は、普通の住宅ローンが組めません。

住宅ローンは国が援助をしているので、金融機関は建築基準法に沿っていない建物には融資しないのです。

基本的にはノンバンク、不動産担保ローン等でお金を借りる形となります。


ノンバンクは都市銀行等に比べ、金利が少し高いです。

具体的には3.5%~4.0%くらいとなります。

ちなみに物件価格の100%は貸してくれません。

基本的には80~50%くらいです。

2,000万円の再建築不可の物件があったら、400~1,000万円+購入諸経費 が現金で必要となります。

ここが一番ネックですね。

メリット・デメリットを理解して、いざ買おうとなっても現金を割と用意しなくては買うことができません。

再建築不可のメリット・デメリット

メリット

  • 圧倒的に安い
  • 安いのでリフォーム、リノベーションにお金がかけられる
  • 資産性が上がる可能性がある
  • 固定資産税が安い

デメリット

  • 再建築できない
  • 資産価値が低い
  • 周りの建物に囲まれている可能性が高い
  • ローンが組みづらい、頭金が必要になる
  • 火災保険に入れないもしくは高い可能性がある
  • 建物が消失してしまうと住めなくなることがある

まとめ

以上、再建築不可のご説明、資産性を上げるコツ等をお話させて頂きました。

正直なところ再建築不可は注意が必要です。

安いので、値上がりを期待して買う方もいますが、色々と勉強してから買うことをおすすめします。

個人的には、セカンドハウス、賃貸等で持ち続けるというのは、非常にありかと思います。

資産価値の高い地域、場所で買うのもありですね。

この記事が少しでもお役に立てることを願います。

最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

他の記事もお読み頂ければ幸いです。

今後も不動産に関して有益な情報になる様に記事を書かせて頂きます。

宜しくお願いします。