不動産

現役不動産屋が比べる、戸建てとマンションの比較20項目!!

どうも、正直な不動産屋さくらまるです。

いざマイホームを買おう!となると、大きく分けて戸建てとマンションの2通りありますよね。

今回の記事では、不動産歴20年現役不動産屋の観点から、戸建てとマンションを20項目で比べます。

戸建てとマンションどちらの方がいいとは一概に言えないのですが、それぞれ自分にあったマイホームを探してもらう為にお伝えします。

この記事をご覧頂くと、戸建てにするか、マンションにするか、方向性が見えてくるかと思います。
「ここは譲れないな」「ここはどうでもいいや」等、それぞれの視点でご覧頂ければ幸いです。

では、さっそく本題に入りますので、最後までご覧頂ければと思います。

比較 20項目

1. 着工戸数

2020年度 新設住宅着工戸数は、戸建てが13万1,000戸分譲住宅(マンション)が10万8,000戸となります。(国土交通省)

戸建ての方が3割ほど多く建てられているんですね。
やはり分譲マンションともなると、まとまった大きな土地が必要ですから、人気のあるエリアで新築マンションを建てるというのは大変ですね。

ただ、マンションデベロッパーさんの努力で、新たな人気エリアがどんどん増えているのは事実です。

2. 価格

首都圏で見ると、2019年の平均価格は、新築戸建て 4,064万円 (平均建物面積 98.8㎡) 新築マンション 5,904万円(平均建物面積 63.09㎡) となりました。(東京カンテイ)

随分差が出ましたね。新築マンションはどんどんグレードが上がってきており、共用施設にスポーツジムがついたり、コンシェルジュがついたり、至れり尽くせり。温泉があるマンションなんていうのもあります。

3. 購入諸経費

購入諸経費は、戸建てマンション共にそう変わりません。ただ、新築マンションを購入する場合、仲介手数料不要のケースがほとんどです。

仲介手数料は、 
(物件価格ー消費税) × 3% + 6万円   (税別) 
となります。

ちなみに消費税は、土地にはかかりませんので、建物価格の10%となります。

例:戸建て 4,500万円 内訳 土地2,850万円 建物1,650万円の場合、消費税は150万円です。

4. 資産性

資産性はどちらとも言えないです。

一昔前は、土地神話というのがあり、不動の資産は戸建てが中心でした。

ただ、今や住宅購入層が若年化してきており、手軽で慣れ親しんだ中古マンション需要も増え、安定した資産として見られる様になりました。

戸建ては、主に木造の為、築30年を超してくると建物の価値は少なくなります。
ただ土地の価値がメインなので、土地の価値で価格は保たれます。

マンションは、築30年を超えてもまだまだ建物は使えます。
法定対用年数は47年ですが、最近の建築及びリフォーム技術はしっかりしていますので、100年でも持つと思います。
今現在も内装だけリノベーションして新築同様の物件も多いですね。

戸建ての法定対用年数は22年ですが、これもまた最近の建物及びリフォーム技術ではもっと持つと思います。

5. 床面積の広さ

床面積は前述した通り、戸建ての方が広いです。
戸建て90~100㎡(3LDK、4LDK)マンション60~70㎡(3LDK)が一般的ですね。

ちなみに10㎡で約6帖になりますので、30㎡の違いは、約18帖分になり、居室、廊下、水回り等で合計して約18帖戸建ての方が広いという計算になります。

ただ戸建ての場合階段部分も平米数に含まれますので、注意が必要です。
単純に間取りの帖数を見てもいいかも知れません。

6. 生活動線

生活動線は1フロアの分、どうしてもマンションの方がいいですね。

3階建て戸建てだと1階にお風呂があるケースが多いです。
なぜなら2階のリビングは物件の顔であり、なるべく広く、表示帖数も大きくしたいからです。

そうなると2階リビングでくつろぎ、1階へお風呂、洗濯、トイレに行くという生活スタイルになります。
冬場の寒い時期は少ししんどいかも知れないですね。

間取りは様々ですので、生活動線を考えて物件選びもしくは設計をして頂ければと思います。

余談ですが、戸建て、マンション共に収納が少ないのは、リビング及び居室の表示帖数をできる限り大きく見せたいという売主側の意図もあります。最近では収納をアピールするようにも変わってきましたけどね。

7. 自由度

自由度と言うと、どちらも自分のものですから自由ですが、マンションは専有部分(室内)でも管理規約・使用細則等に合わせて手を加えないといけません。

ちなみにマンションの専有部分とは一般的に玄関ドア、窓枠、窓のサッシ(窓ガラス)は含まれません。
勝手に手を加えるとマンション全体の雨漏りや不具合に通じるからです。

戸建ては、建築基準法、関係法令を守れば全てが自由ですね。
室内をはじめ、庭、玄関先等、DIYしたい方にとってはとっても楽しみな部分です。

8. 駐車場

戸建ては駐車場付きの物件が多いですね。そこが魅力のひとつだと思います。

マンションは駐車場付きでもほとんどの場合、駐車場利用料金がかかります。
地域によっても違いますが、1.5万円~2万円前後するかと思います。

駐車場権利付きなんていうマンションもありますが、その分管理費・修繕積立金が高いはずです。
強制的に駐車場料金を取られているのはどうかと思います。

9. 利便性

利便性は圧倒的にマンションの方がいいですね。

マンションは駅前を中心に建ち、戸建ては駅から離れたところに建つからです。

なぜなら建物は好き勝手に建てていい訳ではなく、地方自治体の都市計画によって用途地域というのが決まっていて、建てられる建物の上限(下限のある地域も)、が決められているからです。

低層な住宅街(第一種住居専用地域等)に大きなマンション、大きな商業施設等は建てられないという事ですね。
逆に言うと、駅から近く建物を大きく建てられる土地に低層な戸建てを建てるというのは、割に合わないのでほぼ建っていないです。
(駅から近く建物を大きく建てられる土地は、坪単価が非常に高いからです。)

まれに駅から近い低層地域がありますが、そういうところは大抵高級住宅地となります。
みなさん周りの地域はいかがですか?

10.買い物のしやすさ

買い物のしやすさもマンションの方がいいかと思います。
やはり駅から近いとスーパー、商業施設等が充実していますよね。

反対に駅から離れた戸建て地域でも商業施設はあります。
イ〇ン等はそこら中にありますよね。

駅から遠くても商業施設が充実していれば問題ありませんね。

11.ランニングコスト

ランニングコストというと、建物の修繕がはじめに頭に浮かびます。

マンションは修繕積立金がありますね。マンションにもよりますが、月額1.5~2万円くらいでしょうか。
プラスして管理費も1万円程ありますね。

マンションによるというのは、マンションの総戸数が関係してきます。
やはり総戸数100戸のマンションと20戸のマンションでは、各部屋の負担が大きく違います。
あとはエレベーターがないマンションは修繕積立金が安いですね。

ちなみに今現在修繕積立金が安くても、5年後10年後に上がるというのは珍しくありません。
新築マンションの場合、長期修繕計画表を基に5年10年15年でこのくらい上がりますよという説明がされます。

一方、戸建ては修繕積立金、管理費は毎月かからないのですが、自己の責任と負担でメンテナンスが必要になります。
代表的なのが、外壁と屋根ですが、10~12年くらいで塗装し直した方がいいです。

費用としては、面積、素材によって様々ですが、100~150万円くらいかかります。
その分毎月貯めておいた方がよさそうですね。

12.光熱費

光熱費はマンションの方が安いです。マンションは鉄筋コンクリートでできており、高気密になっており、冷暖房効率がいいです。あとは後述する日当りもいいので、暖房費もあまりかかりませんね。

戸建てはだんだん高機密になってきているとは言え、木造住宅が主体ですので、どうしても寒いです。
フロアも違うので、暖房を各階で使う形となります。

庭いじり、洗車等の水道代もバカになりませんね。

13.建物の管理

マンションは管理会社にお金を払い管理を委託(任せる)しています。

戸建ては、玄関前、目の前の道路の掃き掃除、庭、他スペースのゴミ拾い、落ち葉拾い、雑草除去等、全て自分でやらなくてはいけません。

14.セキュリティ

セキュリティはマンションでしょう。オートロック、防犯カメラ、住民の目等がありますからね。

一戸建ては、窓も多く、裏に回られたら人目が無い等、セキュリティには注意したいところです。

最近では戸建てで「セコム」「アルソック」等に加入する方も増えてきましたが、まだまだ防犯面ではマンションにかなわないと思います。

防犯カメラも安価になってきましたので、防犯カメラだけでも付けたらいいかも知れませんね。

15.音の問題

音の問題はけっこうお悩みがありますね。

お子様のいるご家庭は、マンションで特に下の階への気配りが必要です。
あまり走り回ると迷惑になってしまう事がありますね。
逆に上、隣のTV、音楽の音等が気になる場合もあります。

マンション内だけでなく、マンションは大通り沿い建っている事が多く、周辺の騒音、排気ガス等で窓が開けられない事もあります。ただ住環境のいいマンションもたくさんありますので、一般論として。

戸建ての場合、家が独立してますので、音の心配はあまりありません。
もちろん周りの状況には注意が必要ですが、戸建てが建っているのは住居系の地域の場合がほとんどなので、店舗、工場、作業所等は周りに作りずらい環境となります。

16.日当り・眺望

日当り眺望はマンションの方が有利ですが、戸建ても負けていません。

マンションは上に伸びている建物ですから、上へ行けば行く程、日当り眺望は確保されます。

戸建ては、1階部分の日当りはあまり期待できませんが、2階3階には日が当たるかと思います。
マンションに比べ窓が多い為、明るい家になります。

17.ペット 

戸建てはペットを何匹飼おうが自由です。

マンションは管理規約、使用細則でペットの飼育が認められていないといけません。
ペット飼育可のマンションはそこまで多くはなく、飼えるマンションでも大抵の場合は、体高50cmまでの犬・猫という規定があります。(1匹まで、2匹までと規約によって変わりますので注意してください。)

大型犬を飼いたい、複数匹飼いたいという方は、戸建てをおすすめします。

18.ゴミ出し

マンションは24時間いつでも出せるところが多いですね。

戸建てはしっかりとゴミの日に出さなくてはなりません。
地域によっては、個別回収と言って各世帯家の前に出せる地域もあります。

19.近所付き合い

戸建ては地域の繋がりも強く、お隣さんとの関係は非常に重要です。
近隣トラブルは、普段から積りに積もってもつれる場合が多いかと思います。

ちなみに今回は簡単に説明しますが、戸建ては土地の境界が非常に重要になりますので、お隣さんとは仲良くしていた方がいいです。

マンションは戸建てに比べて付き合いは少ないですが、管理組合(住んでる人は管理組合に必ず入ります)の総会等必ず顔をあわせる機会はあります。
マンション内で子供イベント等をやるマンションもあります。

20.建て直し

戸建ては説明するまでもなく自由です。

マンションは管理組合の5分の4(80%)の賛成がないと建て直しできません。

建て直しは3年程かかりますので、3年間はそこに住めず仮住まいとなります。
お年寄りは賛成するかわかりませんよね。

ちなみに後から買って住宅ローンがまだまだ残っている方も賛成するかどうかは疑問です。

まとめ

本当は他にも書きたかったのですが、20項目を1つ1つご説明させて頂いたら長くなってしまいましたので、まとめは簡単にすみません。

戸建て、マンション、どちらがいいとは一概に言えません。
ご自身に合った物件をお探し頂ければと思います。(結論それですみません。)


最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

今後も不動産に関して色々とお伝えしていきますので、宜しくお願いします。